福岡と大阪の自宅をセルフリノベーションしながら2拠点生活しているセーチ(@DIY_se_chi)です。
福井県の築55年旧耐震の空き家を新耐震にリノベーションするシリーズ。
前回(#10)は2階の床のレベルを合わせて作り直す作業でした。
前回の記事はコチラ
今回(#11)は解体した1階の床を作り直す作業です。
床の基本構造
床の基本構造は「束石|床束|大引き|根太|合板|仕上げ材」です。
仕上げ材がフローリングの場合、フローリングの厚みが12mmあるので合板を1枚だけにすることが多いです。
フロアタイルを張る場合は、フロアタイルの厚みが3mm~5mmしかないので合板を2重張りにして、床を頑丈にしてから施工します。
仕上げる材料で工事内容も変わります。
大引きを支えている間隔が広いので床石を追加
大引きを支えている床束の間隔が1メートル以上空いているので、束石を置いて床束を追加します。
束石のサイズは厚さ300mm、縦横 900mm×900mm です。
全部屋同じ床の高さにする
床のレベルを合わせる為に、現状の床の歪みを計っています。
1階は玄関を上がった廊下の床を基準に、全ての部屋の床の高さを合わせます。
1階はそこまで床のズレがなく約10mm前後で収まりました。
グラグラの大引きを新品に取り替える
玄関入って真正面の大引きは、グラグラして使い物にならなかったので新品に交換します。
大引き用に準備した105mm角材をカットして指定位置に固定します。
元々物置のような和室だった場所にトイレを設置するので、ここにも大引きを追加。
床束で高さを合わせて大引きを設置します。
大引きは専用金物を使って端を補強します。
大引き受金物 「BXカネシン」
釘を真っ直ぐ打ち込むのが難しいです (金づちを振る手がキツイ)
下の支える箇所に隙間ができないよう取り付けてから釘で固定しています。
右手が限界を迎えたので左手に交換。
木の床束を鋼製束「城東テクノ」に交換
木で固定されていた床束は鋼製束に交換し、それぞれの地点で高さを調整します。
鋼製束 「城東テクノ」
※高さに限りがあるので、床高を調べてから必要な大きさの鋼製束を準備してください。
鋼製束を束石の上にセットしたら、大引きにビスで固定します。
ボンド束職人 500ml 「コニシ」を使って鋼製束と束石を固定。
リビングキッチンの床も同じように鋼製束を大引きの下に取り付け高さを合わせていきます。
レーザー墨出し器で高さを確認しながら鋼製束を締めます。
鋼製束の上下に付いている六角レンチをモンキーでガチガチに閉めたら準備OKです。
大引きの上に根太を取り付ける
45mm×45mmの角材を根太に使います。(長さは4000mm)
根太を固定するビスは、根太専用ネジの根太ロック 「WAKAI」を使います。
先端と頭部分にネジ山が付いているので、かみ合わせが強くなります。
ネジは四角穴、専用ビットが付属していました。
根太が多少反っているので、なるべく真っ直ぐになるような向きにし
反っている部分は303mm間隔になるよう足で押しながら固定していきます。
303mm間隔で根太を固定。
ビス頭が出ないようにしっかり打ち込みます。
根太を敷き終わったら「床下断熱材フクフォーム2型」を詰める
施工性に優れた床下断熱材、フクビの「床下断熱材フクフォーム 2型」 を使います。
2のスリット部のアジャスト効果で隙間が殆ど出来無い仕組みになっています。
根太は303mm間隔で固定しているので、根太と根太の間は258mmの広さです。
「床下断熱材フクフォーム 2型」の収まり寸法は「258mm~263mm」なので、キツキツの状態で詰め込むことができます。
「床下断熱材フクフォーム 2型」の厚みは45mmなので、45mm×45mmの根太にピッタリ収まります。
接合部分が独特で、合いじゃくりのジョイントと言います。
※キッチンまわりは給排水管の設置が終わってないので開けておきます。
差し込むように製品同士を密着させます。
これで床下地が完成したので、次回床に合板を張っていきます。
床は合板2重張り、軋みが出る箇所は修正しながら床を完成させます。
※ここまでの作業風景を動画にまとめています。
※このタイミングでキッチンの給排管工事もやってもらいます。
床の1枚目は構造用合板を使う
前回作った断熱床に合板を敷き詰めて床を完成させます。
今回フロアタイルで仕上げるので、下地合板を2枚重ねて強度を高めておきます。
根太の上に固定する1枚目の合板は下地になるので、表面が整っていない構造用合板を使用します。
キッチン横は柱が取れないので小さいパントリーを作ることにしました。
パントリーの床部分に点検口を取り付けています。(なるべく隠したかったのでここに設置)
床を固定していると軋む箇所があるので原因を探っています。
床束を締め直しても音が消えなかったので合板が擦れて軋んでいたようです。
(※根太にボンドを塗っていないので音がなっている可能性も)
建築士の先生と現場監督の方が耐震工事施工を記録しにきたので、一緒に見て回ります。
耐震補強の場所に番号を振り、ホワイトボードに場所と日付を記入し施工写真を記録。
筋交いを入れた壁の上に更に耐震壁で補強する箇所もあるので、耐震壁のチェックについてはまた後日撮影しに来るそうです。
1枚目の合板を敷き詰めたら、根太の位置に墨を出します。(墨は303mm間隔で付けています)
1枚目の合板はコンプレッサー式の釘打ち機を使って固定。
いつもインパクトドライバーでビス打ちだったのでめちゃめちゃ楽、圧倒的スピードに感動です。
リビングキッチンの床も同じように303mm間隔で墨を出して釘打ち機で固定します。
大工さんがサイズを合わせてカットし、僕はひたすら墨を出して固定していきます。
構造用合板の繋ぎ目と被らないように2枚目の合板を敷いて床を仕上げる
1枚目の合板を固定したら、2枚目を張る前にゴミが間に入らないよう掃除します。
(コンプレッサーのエアーで小さい木屑などを払っています)
2枚目に張る合板は「クロス合板」という種類で通称「ホームベース」と言うらしいです。
※現場でホームベース持ってきてと言われて??となりました。
合板の表面が整えられていて節がないので、クッションフロアやフロアタイルを貼る時や壁紙を張る場合はホームベースで仕上げるそうです。
※両端が対象になるよう2枚目の張り初めに墨を出しています。
墨に沿うようにホームベースを敷き詰めていきます。
給排管の位置は穴を開けて通すように固定。
まずは4隅を固定してホームベースを仮止めします。
2枚目の合板は釘より噛み合わせの強いコンパネビスで固定します。
特殊フレキ コンパネビス 45mmを使ってホームベースを固定したら、2枚目のホームベースでも同じように303mm間隔で墨を出してビスを等間隔に固定していきます。
線の上にビスを打ち込みます。
頭が飛び出ているとフロアタイルを貼る時凹凸ができるので、頭が出ないように打ち込みます。
コンパネビスを約1500本ひたすら打ち込みます。(流石に右手が痛くなりました)
全ての部屋の床がフラットになるよう廊下や他の部屋もホームベースで仕上げました。
これで1階の床完成です。
このタイミングで外壁や建具の色やサイズを決めて発注をかけます
建具を入れる箇所のサイズを計り、既存のドアサイズに合うか確認していきます。
建具はサイズオーダーすると値段が跳ね上がるので、既存の入るサイズから選ぶのが普通です。
(※ドア枠:枠外高さ2088mm、枠外幅733mm・750mm・778mm・828mm・850mm)
リビングの入り口は柱の間隔が狭いので建具の枠を付けると結構細くなってしまいます。
1サイズ大きくすると取り付けがギリギリになってしまいそうで小さい方にするか話し合い中。
ケーシングタイプの建具であれば、壁を差し込むように取り付けられるので1サイズ大きいドアでも問題ないという結論になりました。
キッチン後ろのドアは光を多く取り込みたいので、ガラス面が大きいドアにしようと思います。
※ここまでの作業風景を動画にまとめています。
次回は窓サッシを取り付けたいと思います。